粘土瓦の初期費用は化粧スレートに比べると高いですが、
焼きものである粘土瓦は色が落ちることはありません。
化粧スレートや金属は約5〜15年で表面が退色する為、再塗装が必要です。
20年・30年という単位でみれば、ずいぶんとお得な結果となります。
10年後の化粧スレート(色が変色しています)
30年後の粘土瓦(色が殆ど変わっていません)
※屋根面積100㎡あたりのメンテナンスシミュレーション
瓦は約1420年前、仏教伝来とともに伝えられました。
それから様々な機能を持ち進化してきました。
粘土瓦は、1000℃~1300℃の高温で焼かれた製品で
他素材よりはるかに高い耐久性を実現しています。
粘土瓦が他の屋根材と違う点のひとつは「塗装してない」ということです。
どんなに良質な塗装を施しても太陽が発する紫外線は塗装を劣化させていきます。
そして長年のうちには雨に流され、塗装は落ちてしまいます。
でも、粘土瓦の色は、釉薬を焼き付けたり、燻化により炭素膜を作って色を出しているため
紫外線による劣化やサビによる腐食、色が落ちるということもありません。
粘土瓦は、真夏の強烈な日差しや雨風に耐え、
塩害にさらされる環境下でも色褪せることなく数十年と守り続けています。
粘土瓦は防火性に優れています。近隣の火災で火の粉が飛んできても、
瓦は決して燃えません。防火・準防火地域でも安心して使っていただけます。
一番の役割は雨水を建物の中に入れないこと。瓦の優れた重なり構造で防水もバッチリ。
瓦と化粧スレートの温度比較
日差しの強い夏、化粧スレートの場合、野地表面の温度は57.9℃まで上昇します。これに対し粘土瓦には48.9℃。その差は9℃。粘土瓦の断熱性能の良さを証明する数字です。瓦は粘土を原料とした「やきもの」です。湯のみと同じように、熱さを伝えにくい素材のため、室内は夏涼しく、冬暖かいのです。
瓦と野地面の空気層がポイント
粘土瓦の場合、化粧スレートや金属と違って野地面との間に空気層ができます。そのため通気性も良くなり、熱を屋根裏へ伝えにくく、また室内の熱を逃がさない働きがあるのです。
高い吸音率が特徴です。
外部からの遮音対策は、窓や外壁はもちろんですが屋根もその対象となります。吸音率試験は音を吸収する割合を測るもので、特に屋根に必要とされている雨音等に対する性能として重要な要素になります。
人間の耳で感度の高い1600Hzの周波数も0高い吸音を示し、優れた遮音効果が確認されました。
地震による倒壊の原因は瓦ではなく、建物の強度が問題であったことは振動実験で証明されています。
この写真は昭和50年(1975年)に建てられた物件を耐震補強ありと補強なしを実物件で比較した耐震実験です。
耐震補強を行うことで昭和56年(1981年)以前に建てられた物件も新耐震基準レベルまで耐震強度を上げられることが実証されました。また瓦屋根の安全性も実証されました。
現在使用されている粘土瓦は8割以上が防災瓦。
瓦と瓦が噛み合うのが防災瓦です。強風による浮き上がりや地震のズレを防ぎます。
防災瓦とガイドライン工法で台風にも地震にも強い安全な屋根を作っています。
かつては粘土で葺き固めていた瓦を、ガイドライン工法では釘や銅線、金具類を使って躯体(くたい)と緊結します。建築基準法に沿った施工ガイドラインで耐震・耐風に対し十分な強度を発揮しています。
瓦の産地は三州、石州、淡路、奈良、美濃の他全国メーカーを取り扱っております。伝統的な和型からすっきりとした葺き上がりのフラットなF型、リゾート建築をイメージさせるS型など住まいのデザインに合わせ、色も形も豊富です。また、敷瓦(土間に敷く瓦)の施工もいたします。瓦の質と色が風情を感じさせてくれます。